用水路、稲穂が揺れる昼下がり
11/09/22
9月、私はしばしばレンタサイクルで、コスモスロードを幸手に向けて走ります。
特にほんのり汗ばむくらいの秋晴れの時は、
お昼を食べた後、痛茶とデジカメをお供にぷちサイクリングを開始します。
幸手に行くだけなら、もっと早い道もあるのですが、
私は余程急ぎでない限り、多少遠回りでもサンクス横から葛西用水路を経由していきます。
理由は何と言っても、用水路沿いに拡がるぷち田舎の景色。
正確に言えばこの季節の田んぼです。
土師祭を過ぎた頃から、コスモスロード沿いの田んぼで稲刈りが始まります。
高架をゆく東武線やコンバインの駆動音が止んだ時に耳をすますと、
虫達の声や、風に揺れる稲穂の音が、稲藁の匂いと一緒に届いてきます。
田畑が開発され尽くした町から来た巡礼者には、本当に新鮮で、そして懐かしい匂いです。
そんな田んぼの中には、私とささやかな縁がある田んぼがあります。
私の知人が育てている田んぼで、3月の大震災の時には、被災した親戚の町に送られて、
たくさんの人を元気付けたお米の故郷です。
他にも、ここの田んぼからは、私の行き着けの店にも、まだ太陽の匂いが漂ってくるような、
獲れたてほやほやの新米が届けられています。
仲間がネット上で、
鷲宮育ちの『聖地の新米入荷しました』
と呟いているのを見ると、その週末には多少予定があろうが体の調子が怪しかろうが、
気がついたら店に突撃して秋の恵みを堪能してしまうのはお約束。
最近では田植えの頃や穂が出る頃など、年に何度か田んぼを覗きに行くほどになりました。
巡礼を重ねて馴染みの店や仲間が増えるほど、鷲宮・幸手が好きになるように、
育てる手間や、育てている人のことを知れば知るほどファンになる――
近頃しばしば耳にするようになった『食育』も、もしかしたら『巡礼』と似た所があるのかも
知れません。
9月半ばのよく晴れた土曜日。
4時過ぎに見に行った田んぼは眩い茜色の光を浴びて、
いよいよ素晴らしい、橙が仄かに溶けた黄金色に染まっていました。
昔どこかで『マルコ・ポーロが日本を黄金の国と紹介したのは金色の水田を見たせいだ』と
いう話を聞いた気がしましたが、その真偽はともかく
夕方の田んぼの美しさは格別です。
聖地・鷲宮で育った、2011年の新米。
今年も仲間と、聖地米と一緒に笑顔でお酒が飲めますように。
そしてどうか、
こんな時期に来やがった台風の雨風の被害が、最小限で済みますように……。
しほぐるむぁ
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